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一次性頭痛の鑑別
片頭痛
緊張型頭痛
群発頭痛
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1998.9.9新設 |
06/11/04改定 |
- 下記のように表現します。
- 片頭痛は[片]
- 緊張型頭痛は[緊]
- 群発頭痛は[群]
- 数字は(Lance1981)に準拠
■一言で言うと
- [片]こめかみがズキズキといたみます
- [緊]後頭部が重苦しい感じです。金輪がはめられたような感じのこともあります。
- [群]片側の目が錐でつかれるような激しい痛みです。
■形容
- [片]ズキンズキン、グワーングワーン
- [緊]ギュー、ジワーン
- [群]ズドーン
■疫学
- [片]成人の8.4%
- [緊]成人の22%
- [群]0.1%以下
■家族歴
■性差
- [片]女性 75:25 (出典2) 小児期は男女差なし(Evans)
- [緊]女性 60:40 (出典2)女性にに多目 4:5(Evans)
- [群]男性5:1、または90: 10(出典2)
■発症年齢
- [片]92%が40歳までに発症(Evans)、小児期発症25%(Lance1981)
- [緊]
- [群]20〜40歳、小児期発症<1%(Lance1981)
■頭痛の頻度
- [片]月に1〜4回、平均2回(月経と関係あり)
- [緊]月に1 - 30回(さまざま)
- [群]日に1 -83回)
■周期性
- [片]あり
- [緊]なし
- [群]あり、年に1〜2回、あるいは隔年に1〜2ヵ月間続く
■週との関係
- [片]週末におこりがち
- [緊]休みの日には楽になる
- [群]関係ない
■時間帯
■持続時間
- [片]4〜72時間
- [緊]数時間〜数日
- [群]15分〜3時間
■発症の仕方
- [片]比較的急(1時間以内)
- [緊]いつとはしれず
- [群]分のオーダーで
■側
- [片]60%片側(出典2)
- [緊]両方
- [群]100%片側
■頭痛の部位
- [片]片方のこめかみが、目の奥が痛む
- [緊]後頭部、はちまき
- [群]眼窩部、前側頭部
■頭痛の性質
- [片]拍動性
- [緊]重圧感、圧迫感、緊縛感、被帽感
- [群]錐で穿たれる、焼け付くような、えぐられるような
■頭痛の強さ
- [片]高度〜中等度
- [緊]中等度〜軽度。がまんできる
- [群]激烈
■動くと
- [片]痛みが増す
- [緊]変わらないか、楽になる
- [群]じっとしていられない、のたうちまわる
■前兆
- [片]閃輝暗点など20%に
- [緊]なし
- [群]なし
■随伴症状
- [片]吐き気、嘔吐、光や音に過敏
- [緊]肩こりやめまいがする
- [群]涙が出る、目が充血する、鼻が出る、詰まる
■悪心・嘔吐
- [片]悪心・嘔吐あり(85%)(Lance1981)、/悪心90%、嘔吐30%(Evans)
- [緊]嘔吐はない、悪心はあることもある
- [群]悪心・嘔吐(45%)(Lance1981)
■光や音
- [片]大変つらく感ずる
- [緊]関係ない
- [群]関係ない
■自律神経症状
- [片]まれ
- [緊]なし
- [群]しばしば 流涙85 鼻閉50 眼瞼下垂・縮瞳25(Lance1981)
■マッサージ
■暖めると(入浴)
■アルコールの影響
- [片]誘発される
- [緊]楽になる
- [群]てきめんに起こる
■運動過敏
■そのほか
- 顔面頭皮の痛覚過敏 [片]65[群]15(Lance1981)
- 多尿[片]30[群]7(Lance1981)
- 小児期嘔吐[片]25[群]7(Lance1981)
- 頭痛による覚醒は [群]にしばしば、[片]に多く、[緊]はまれ
■生化学的変化
- 血漿セロトニン低下[片]80[群]0(Lance1981)
- 血漿ヒスタミン上昇[片]0[群]90(Lance1981)
- L-arginine負荷[片]NO合成↑[緊]NO合成→ 慶応大学data(1997)
■薬の効果
- 発作時
- 酒石酸エルゴタミン[片]○[群]○
- スマトリプタン[片]○[群]○
- NSAIDs[片]○[群]○
- 酸素吸入[片]×[群]○
- 間欠期(予防効果)
- 酒石酸エルゴタミン[片]禁忌[群]○
- ジヒドロエルゴタミン[片]○[群]×
- カルシウム拮抗剤[片]○[群]○
- β遮断薬[片]○[群]×
- 三環系抗うつ薬[片]○[群]×
- 炭酸リチウム[片]×[群]○
- バルプロ酸[片]○[群]○
- 抗セロトニン薬(メチセルギド)[片]○[群] 同
- ジメトチアジン、シプロヘプタジン[片]○[群]×
■発作誘発因子
- [片]85%にあり、空腹、寝すぎ、食事など(Evans)
- [緊]-めまい感、肩こり
- [群]-アルコール
- 硝酸塩・亜硝酸塩[片]○[群]○
- アルコール[片]○[群]○
- ヒスタミン[片]関係なし[群]○
- エストロゲン・生理[片]○[群]関係なし
- チーズ・チョコレート[片]○[群]関係なし
- ストレス[片]○[群]関係なし
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●以下は趣味的です
■頭痛の様子
■顔文字で表現すると
- [片] (-_*;)
- [緊] (~V~)
- [群] (-_<)
■経時的パターン
- [片]
- [緊]
- [群]
■頭痛日記からみたパターン
■天気にたとえると
- [片]夕立:ざーっとくる
- [緊]五月雨(さみだれ)じとじととふる
- [群]スコール:毎日のように決まった時間にざーっとくる
■動物にたとえると(アイヌ)
- [片]鹿の頭痛
- [緊]熊の頭痛
- [群]きつつきの頭痛
■色にたとえると
■音楽にたとえると
- [片]ベートーベン第6シンフォニー「田園」の嵐の
- [緊]ドボルザークの「新世界」第2楽章
- [群]ハイドン「驚愕」
■なりたち
- 私達はストレス→リラックスの振幅の中で生きています。
- ストレスがリラックスするときの落差が片頭痛となって”発電”されるのです。
- ちょうど寒気と暖気のはざ間に前線が生じ、雲がわき、雨風(=頭痛)が生まれる状況にもたとえられます。
- 現代人の多くはストレスが多く、神経症的な生き方をせざるを得ません。
- 生き方のどこかに無理な部分を多かれ少なかれ持っています。
- そのために軋轢(ストレス)を生じを生じ、それが緊張型頭痛という形になって現れるのです。
- [片]発電所
- [緊]摩擦
■出典
- 1.Lance 1981
- 2.:Cephalalgia 18 supplement22 August:22-32 1998 Ninan T Mathew:
Table 2. Differential diagnosis of primary headaches.
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