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ゾーミッグ錠2.5、ゾーミッグ錠RM2.5

改定:2006/02/19

●ゾルミトリプタンの概要

  • ゾルミトリプタンは、1997年に英国で片頭痛治療薬として承認された第二世代といわれるトリプタンです。
  • 生体利用率が40%台と高く、脂溶性に富み、血液-脳関門を通過して脳幹の三叉神経核にも作用して鎮痛効果を高めるといわれます。
  • 本邦では錠剤とRM錠（口腔内速溶錠）の2剤形が提供されており、欧米では点鼻液も発売されています。
  • 口腔内速溶錠は、外出先や学校・オフィスで随時服薬可能で患者の評価も高い剤形です。
    • （Charlesworth B, Wasiewski W, Moran D : Migraine patients prefer the zolmitriptan orally disintegrating tablet to the rizatriptan wafer tablet: An assessment of taste and ease of use. Headache 42: 391-392, 2002）。
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ゾルミトリプタン(ゾーミッグ) 適正使用のためのツール・文書

ゾーミッグ錠2.5を処方された患者さんへ（必ずお読みください）

●４つのアドバイスとお薬の飲み方

  • 1. このお薬は片頭痛発作が起こった時に飲んでください。
    発作のない時に、頭痛などを予防する目的で飲まないで下さい。
    • ＊ このお薬の働き
    • このお薬は脳血管に作用して、片頭痛の症状（頭痛、吐き気、嘔吐、光や音に敏感になる）を抑えたり和らげます。
    • 片頭痛発作の回数を減らしたり発作を予防する為に飲むお薬ではありません。
    • また、片頭痛以外の頭痛に対しては、効果がありません。
  • 2. お薬を飲む前に次の方は必ず主治医にお知らせください。
    • 次の病気を治療中または過去に経験した方
      薬による発疹や蕁麻疹などの異常/心臓の病気（狭心症、不整脈、心筋梗塞など）/　脳の血管障害（脳出血、脳梗塞など）/　血行が悪い（手足がいつも冷たい）/　高血圧症/肝臓が悪い/　てんかんや痙攣発作
    • 他にお薬を飲んでいる方
      薬局で買っているお薬も、病院でもらっている他のお薬もお知らせください。
      〔エルゴタミン製剤（カフェルゴッドなど）、他の頭痛薬〕
    • 妊娠中または授乳中の方、妊娠している可能性のある方
      主治医にその事を必ず伝えてください。また、妊娠に気づいた時はすぐに主治医にお知らせください。
  • 3. お薬を飲む時は
    • 1回および1日に飲む量は、主治医の指示を守ってください。
    • 1日に2回以上飲む場合は、前回飲んでから2時間以上あけて下さい。
    • このお薬は1回２錠、１日４錠をこえて服用することはできません。
      なお錠剤は、飲む直前に銀色のシートから取り出して下さい。
  • 4. お薬をのんだあと
    • 次のような異常を感じたら追加して飲むのを止め、すぐに主治医に連絡してご相談ください。
      • 胸のあたりの異常
        顔が蒼白くなる、冷や汗がでる、息苦しい、胸や背中のあたりが激しく締めつけられるようにいたむ、どきどきする、脈が乱れたり速くなるなど
      • 全身の充血、蕁麻疹、局所的な腫れ
        顔、くちびる、舌、のどなどが腫れる、のどが腫れてものが飲みにくい、足や陰部がはれるなど
      • けいれん、意識消失
    • 次のような異常を感じたらなるべく早く主治医にご相談ください。
      • のどや胸が圧迫された感じや締めつけられるような感じ、めまいがする、ほてり、感覚がおかしい、力がはいらないなど
    • そのほかにも異常を感じた場合は、なるべく早く主治医にご相談ください。
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●こんな時は、こうしましょう

  • 間違ってたくさん飲んだ時
    　　すぐに主治医または薬剤師にご相談ください。
  • お薬をのんでもいつまでも頭痛が全くおさまらない時
    　　勝手に飲む量や回数を増やさないで下さい。
    主治医にご相談の上指示に従ってください。
  • 頭痛がいつもと違っている時
    　　このお薬は飲まないで下さい。すぐに主治医に連絡してください。
  • このお薬を飲んだ後、片頭痛の症状が改善していくときに、眠気を催すことがあります
    症状がおさまるまで自動車の運転等、危険を伴う機械操作をしないようにして下さい。
  • *このお薬は医師・薬剤師の指導の元に服薬して下さい。
    他人に渡すことは絶対にしないで下さい。
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●片頭痛の主な特徴

慢性頭痛は、緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛と大きく３つに分けられますが、
ゾーミッグは、その中の片頭痛の症状が現れた時に服用する薬剤です。
そこで片頭痛の特徴について解説します。

  • 症状
    • 前兆を伴うことがある。
      閃輝暗点：視界に急に星やキラキラしたガラスの破片のような光が見え始め
      それが拡大して視界がさえぎられる。
    • 随伴症状を伴うことがある。（悪心･嘔吐、光過敏、音過敏）
    • *緊張型頭痛は、肩こり、めまい。
      *群発頭痛は、涙が出る、眼の充血、鼻水
  • 痛みかた
    • ずきんずきん、どくんどくんと拍動性に痛む
    • *緊張型頭痛は、締めつけられるような痛み
    • *群発頭痛は、突き刺す､えぐられる様な痛み
  • 痛む場所
    • 多くは頭の片側（こめかみから目のあたり）
    • *緊張型頭痛は後頭部から首筋にかけて両側
    • *群発頭痛は片側の目の周辺や目の奥
  • 頻度
    • 週に１回から年に数回（月に１〜３回程度）
    • *緊張型頭痛は毎日、環境や精神状態で変化する
    • *群発頭痛は１〜２ヵ月の間毎日（１〜３年周期で繰り返す）
  • 持続時間
    • １回の発作は４〜72時間
  • 痛みの程度
    • ひどくなると寝込む（中〜強）
    • *緊張型頭痛は軽〜中
    • *群発頭痛は激しい痛み
  • 痛みの憎悪因子
    • 動くと痛みが増す、入浴すると痛みが増すなど
    • *緊張型頭痛は変わらない
    • *群発頭痛は激しい痛みでじっとしていられない
  • その他
    • 家族歴あり（特に母親から娘へ）
    • 主に発作的、月経（女性）
    • 週末などリラックスしたときに起こりやすい、など
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●服薬上の注意（詳細版）

  • この薬の名前は
    　　商品名：ゾーミッグ錠2.5mg（英名：Zomig Tablets2.5mg）
    　　一般名：ゾルミトリプタン
    　　剤形：錠剤（直径約7.4mm）　色：微黄色　識別コード：GX ES3
    シート裏面の記載：AstraZencaゾーミッグ2.5mg
  • この薬の働きは
    • 片頭痛の発作時の頭痛をはじめとする諸症状（はきけ・嘔吐・光や音に対する過敏症状）を弱めたり、なくしたりします。
    • 片頭痛の発作の回数を減らしたり、発作がおこるのをおさえる薬ではありません。
  • 主治医に伝え忘れたことはありませんか
    • *次のような人は使う前に主治医に相談してください。
      • 以前に薬を飲んで発疹などが出たことのある人、心臓の病気のある人、
        頭（脳内）の血管に障害のある人、血行が悪い（手足がいつも冷たい）人、
        高血圧症の人、肝臓の悪い人。
      • 他に薬を使っている場合（薬局で買った薬も）
        　その薬について主治医に伝えてください。
        　[例えば、エルゴタミン製剤(カフェルゴット等)他の頭痛薬]
      • 妊娠または授乳中の場合
        主治医にそのことを必ず伝えてください(妊娠している可能性のある場合も)。
        また、妊娠に気づいた時は、すぐに主治医にそのことを伝えてください。
  • この薬の飲み方
    • 必ず指示に従って、
      飲む直前に包装(ＰＴＰシート)から取り出し、
      コップ一杯程度程度の水またはぬるま湯で飲んでください。
    • 1日に2回以上飲む場合、前回の服用から2時間以上あけて下さい。
    • 1日の服用量は主治医の指示に従ってください。
    • （1回2錠、1日４錠をこえて服用することはできません。）
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◇ 服用の注意：

  • この薬は、頭痛(片頭痛)の症状が出たときに飲む薬です。片頭痛
    の予防のために飲んではいけません。
  • この薬を飲んでも症状が変わらないときは、
    それ以上飲まずに主治医に相談してください。
  • 頭痛の症状などがいつもと違っているときは、
    この薬を飲まないで下さい。
  • *あやまって多く飲んだ場合
    　　　すぐに主治医または薬剤師に相談してください。
  • *高齢者の場合
    　　　特に主治医の指示を守って使用してください。
  • 生活上の注意は
    　片頭痛の症状が改善していくときには眠気を催すことがあるので、
    この薬を飲んでいる期間は自動車の運転等、危険の伴う機械の操作をしないようにして下さい。
  • この薬を飲んだ後気をつけていただくことは（副作用）
    薬は人によって目的の効果以外に望ましくない作用が出る場合があります(つぎに解説)。
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◇(服用中止)

次のような症状に気づいたら、追加して飲むのを止めてすぐに主治医に相談してください。

  • 顔色が蒼白になる・冷や汗が出る・息が苦しい・全身が充血して赤い
    　（アナフィラキシー様症状）
  • 脈がみだれる　(不整脈)、激しい胸の痛み・背中の痛み・胸がしめつけられ
    る・冷や汗・顔色が青くなる・手足が冷たい・むかむかする　(狭心症ある
    いは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状)
  • けいれん・意識消失・意識障害(てんかん様発作)
  • 動悸(どうき)・胸がドキドキする・脈が速くなる(頻脈)
  • じんましん・顔やくちびる、舌やのどがはれる
  • 足や陰部がはれる・物が飲み込みにくい(蕁麻疹、血管浮腫等の過敏症状)
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◇(服用注意)

 いつもと違う次のような症状に気づいたら、なるべく早めに主治医に相談してください。

  • のど、首､手足、胸が重苦しい感じ、圧迫された感じ　(重圧感、圧迫感)や締めつけられるような感じ(絞扼感)
  • のどや首、手足、胸、関節や背中が痛い　(疼痛)
  • 吐き気がする・むかむかする　(悪心)
  • いつも眠たい・意識がぼんやりする　（傾眠）
  • めまいがする　(めまい)
  • 感覚が鈍くなる　（知覚減退）
  • 力がはいらない　(無力症)
  • 動悸(どうき)がする・じっとしていても脈が速い　(心悸亢進、頻脈)
  • 口が渇く（口内乾燥）
  • 皮膚がちりちりする感じ　(知覚過敏)
  • 感覚がおかしい・鼻がツーンとする　（異常感覚）
  • 頭が痛い　（頭痛）
  • 頭痛、頭が重い、肩がこる・動悸がする（高血圧）
  • 筋肉が痛い（筋肉痛）
  • からだがほてる・熱っぽい（熱感）

＊ここには知っておいて頂きたい主な事柄だけが書いてあります。更に詳しく知りたいときは、主治医または薬剤師におたずねください。

  • 2001年9月作成

●文献

  • Elizabeth Loder, et al.　Efficacy and Tolerability of Oral Zolmitriptan in Menstrually Associated Migraine: A Randomized, Prospective, Parallel-Group, Double-blind, Placebo-Controlled Study. Headache 2004;44(2):120
    ⇒経口ゾルミトリプタンは、月経随伴性片頭痛の治療で有効性と良好な耐容性を示す。治療後で30分で改善
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  • Neuhauser H, et al. Zolmitriptan for treatment of migrainous vertigo: A pilot randomized placebo-controlled trial.,
    Neurology 60: 5, 882-3, Mar 11, 2003.
    片頭痛性めまいのゾルミトリプタンによる治療：パイロット無作為化プラセボコントロール試験
    目的：片頭痛性めまいに対し、中枢性作用もあるゾーミッグについて効果を検討
    方法：経口ゾーミッグ2.5mgを急性期片頭痛性めまいに投与
    対象：10例17発作の片頭性めまいの患者
    結果：2時間後のめまい改善率は3/8例(38%)、プラセボ2/9(22%)
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