>>片頭痛の臨床像、プロフィル<<
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診断基準については(サイト内リンク⇒)PART 1 国際頭痛分類第2版より片頭痛の分類について
- 以上を噛み砕いていうと
- 片頭痛診断手引き
- 片頭痛症状として頭痛以外に重要と考えるものは
- ⇒片頭痛の鑑別診断
- 片頭痛のイメージは⇒片頭痛患者さんの手記を参照してください。
●片頭痛migraineとは(国際頭痛分類第2版の記載)
- 頭痛発作を繰り返す疾患
- 発作は4〜72時間持続する
- 片側性、拍動性の頭痛
- 中等度〜重度の強さ
- 日常的な動作により頭痛が増悪することが特徴的
- 随伴症状として悪心や光過敏・音過敏を伴う
- 前兆を伴う場合を「前兆を伴う片頭痛」という
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●片頭痛の臨床像(旧頭痛大学の記事より)
- 拍動性頭痛＋吐気・嘔吐、前兆）が反復して出現する
- 女性に多い(男性の４倍)
- １０歳から２０歳台に発症(１／４は小児期発症)
- 90％は40歳までに発症、50歳以降の発症はきわめてまれ（片頭痛再発は除く）
- 家族性がある(半数以上、小児期発症の片頭痛の場合は７８％)
- 発生頻度は数回／月
- 持続は４〜72時間
- 一側の前側頭部が多い。両側性も４割。
- 拍動性頭痛（時間がたつと持続性頭痛となる）
- 片頭痛の三大構成症状は
- 自律神経性の症状：交感神経系の亢進に起因する全身の血管収縮（顔面蒼白、四肢の冷感）
- 食欲低下、 悪心・嘔吐、下痢
- 知覚症状 光、音、臭いなどに対する感受性の亢進から起こる
- 片頭痛は生活をおびやかすほど強い頭痛である。
- 「片頭痛の本質は生活の質を犯すことである」Neurology 2000 55: 610-1.
- 睡眠をとると頭痛は軽快・消失する
- 誘因：ストレス、疲労、飲酒、リラックス（緊張型頭痛は逆に改善する）
- 「前兆を伴う頭痛」
- 古くは「典型的片頭痛 classical migraine」といわれた
- 機序は拡延性抑制説（⇒生理学教室（拡延性抑制））が有力
- 頭痛の側は、比較的 厳密に一側に出現する。頭痛側は一定のことも交代することもある。
- 頭痛患者の１〜３％とまれ
- 家族性や発作後睡眠の傾向が強い
- 起床時に起こることが多い
- 約１時間ほどでピ―クに達し数時間続く
- 前兆は、５〜２０分程度である。視覚性のものが多い
- 閃輝暗点、半盲、暗点のみなどの視覚異常が現れる
- 閃輝暗点scintillating scotoma とは、
視野のなかにギラギラしたものがみえ、それが徐々に拡大していくが、
そのなかはみえない。普通は同名性の視野に出現する - 四肢脱力、言語障害、思考錯乱などを伴うこともある
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- 慢性片頭痛 月に片頭痛が15日以上。ただし薬物乱用がない。ある場合は「薬物乱用頭痛」。
- 変容性片頭痛ransformed migraine
- 慢性連日性頭痛の一型である。
- 国際頭痛分類第2版に採用されていない。
- 国際頭痛分類第2版では慢性片頭痛、あるいは薬物乱用頭痛に分類される頭痛である。
- しかし実践的な頭痛タイプとしてとくに米国で用いられている。
- ⇒transformed migraine変容性片頭痛のページ 参照
- 片頭痛発作重積 1回の発作が72時間以上続く。
- 梗塞を伴わない遷延性の前兆 前兆症状が2週間以上続くがMR所見は正常。
- 片頭痛性梗塞 前兆症状があり、画像診断により虚血性病変を認める。
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- 鑑別を要する疾患
- 同義語
- sick-headache
- bilious headache
- blind headache
- つぎの頭痛は片頭痛と関係が深い
- monday headache
- week-end headache
- relaxation headache
- premenstrual headache
- menstrual headache
- 片頭痛関連症状
- 小児の嘔吐発作 bilious attack
- 間欠的腹部痛 abdominal migraine
- 間欠的胸部痛 cardiac migraine Leon-Sotomayor,1974
- 良性再発性めまい benign recurrent vertigo Slater,1979
- 小児交代性片麻痺 altrnating hemiplegia of childhood
- 片頭痛は日本人の８．３％（約８４０万人）⇒衛生学教室のページ参照
- 原因遺伝子が明らかにされた片頭痛を症状とする３疾患
- MELAS、CADASIL、家族性片麻痺型片頭痛
- 片頭痛は、環境の変化、ストレス、生理的環境の変化で誘発されやすい。
- 意外とリラックスが誘発因子となる。
緊張時はアドレナリン・セロトニンのために血管が収縮している。
週末にリラックスすると血管が弛緩し、片頭痛が起こる。 - 参照⇒米国頭痛財団の解説
- 片頭痛の歴史⇒片山宗一．片頭痛の背景：片頭痛の歴史、片頭痛エッセンス、15-17に詳しい。
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●片頭痛を見分けるための重要質問(スクリーナー)
- エピソディソクな頭痛か
- 「毎日の頭痛ですか、ときどき起こる頭痛(月に何回)ですか」
- · 「頭痛のないときは、ふつうの生活ができますか」
- 日常生活・動作に影響がある頭痛か
- 「仕事や家事をするのがつらいですか」(でなくなることはなんですか)
- · 「できれば、休むか、横になりたいですか」
- · 頭痛のために、薬を飲んでいますか
- 悪心･嘔吐
- 「今までに吐き気がしたり吐いたりしたことがありますか」
- 片側性
- 「頭痛はどこから始まりますか」
- 参考
- 片頭痛簡易診断票(スクリーナー)の妥当性と信頼性の確立
- 生活支障、悪心、光過敏の三項目で感度0.81、特異性0.93
- Lipton RB, Dodick D, Sadovsky R, Kolodner K, Endicott J, Hettiarachchi J, Harrison W, A self-administered screener for migraine in primary care: The ID Migraine(TM) validation study., Neurology 61: 3, 375-82, Aug 12, 2003.
- (2004/04/18掲載)
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●以上を噛み砕いていうと
○前兆のない片頭痛とは
- ほかに原因がなく、４〜７２時間続く（治療をしない場合の話）、反復性の、拍動性頭痛で、部位は片側性。
中等度から重度の強さで、運動によって増強し、嘔吐・光過敏・音過敏などを伴う． - 前兆として明らかな、局所神経症状を呈さない
- 片頭痛としては最も多いタイプである
- 性周期に関連して発作の出現することもあり、女性に多い。
○予兆 前駆症状が勧められる
- 片頭痛は、前兆とは別にしばしば「予兆」を伴う。
- 片頭痛発作の始まる、数時間から１〜２日前に起こりうる症状である。
- 予兆としては、情緒不安定、うつ状態、空腹感、眠気、あくび、浮腫など
- 片頭痛は片頭痛型血管性頭痛と分類されていた。
- すなわち、片頭痛の前駆症状は脳血管収縮による脳虚血によるものとし
- 前駆症状の明らかな片頭痛を典型的片頭痛
- 明らかでないものを普通型片頭痛とした。
●片頭痛診断手引き
1. 脈拍に一致した拍動感の痛みを呈する
2. 頭痛は片側に出現するか、両側に出現するとしても、強さに左右差がある
3. 頭痛は、数日ないし数週の間隔をおいて発作性に出現する
4. 長くても、2〜3日で、頭痛はいったん治まる
5. 頭痛発作時に、悪心・嘔吐などを伴うことがある
6. 頭痛発作時に、強い光、大きな音、不快な臭いで頭痛が強まることがある
7. 頭痛が出現する数十分ないし数時間前に、
目のチカチカ、頸すじの張り、生あくび、不定の予知感などの前駆症状が先行する
8. 雑踏、寝過ぎ、炎天下、飲酒、運動などによって頭痛が誘発、強化される
9. 夜中あるいは目覚めのとき、頭痛が現れていた経験がある
10. 頭痛の強い部分を手で圧迫すると、その間頭痛が軽快する
11. 頭痛は、遅くとも30歳までに現れる
12. 両親、同胞、子供など、血縁者のなかに似たような頭痛を訴える人がいる
13. 女性に多い頭痛である
14. 妊娠中には頭痛が現れないか、現れたとしても軽度である
15. 血圧はどちらかというと低めのほうである
16. 下痢、発熱などの自律神経症状が現れることがある
（出典:寺本純、診断と治療社、2000）
●片頭痛症状として頭痛以外に重要と考えるものは
- 吐き気 93％
- 嘔吐 86％
- 光過敏 86％
- 視覚障害 85％
- 予兆 78％（あくび、情緒不安定、空腹感、浮腫など）
- 音過敏 64％
- 996年、米加英仏独伊のプライマリケア医600人の意識調査
- （出典:ADIRUS Primary Care Reserach 1996）
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- 940 The place of osmophobia and taste abnormalities in migraine
classification: a tertiary care study of 1237 patients
L Kelman
⇒片頭痛の24.7%に臭過敏、24.6%に味異常を訴えた。 - ▲top
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